(29)なぜ営業マンは売り逃しをするのか

売り逃しになりやすいパターンとは?

売上が低下していっている企業の経営者の方に聞くと、たいていは固定費の削減を進めていらっしゃいます。
ただ、私が経営者の方からお話を聞いていると、固定費の削減はどの企業も行っていても、売上増加策、つまり売上が低下していっている状態の歯止めをかけ、増加に転じていくための対策を行っている、ということはあまり聞きません。

例えば、営業マンが何人かいる企業だったとします。
自社の営業マンが、そのお客さんと面談している現場を、経営者の方は見たことがあるでしょうか。意外とそのような経営者の方は少ないのではないでしょうか。

そのような状況においては、経営者は営業マンが、お客様とどのように話をしているかを把握することはできません。
こわいのは、そのような営業の実際の現場において、多くの売り逃しが起こっている可能性があるということです。

営業の現場にてありがちな、売り逃しになりやすい5パターンです。
  • 1.営業マンが、自分が売りたい商品・サービスだけをお客様に勧めていて、逆にお客様が買いたい商品・サービスに気づいていない。
  • 2.お客様に、あなたの会社が取り扱うことができる商品・サービスの全てを知らせていないため、お客様が買いたい商品・サービスがあなたの会社に実は存在することを知ることができず、お客様は他社からそれを買っている。
  • 3.お客様の所に行き、「何かご用はないですか?」と言って、「特にないよ」と言われて帰ってくるだけの、御用聞き営業になってしまっている。
  • 4.お客様の困ったことは何か、解決したい問題は何か、という視点からの提案営業ができず、そこにあるかもしれない案件を掘り起こすことができていない。
  • 5.お客様はあなたの会社の商品・サービスについて興味を持って営業マンに質問しているのに、営業マンは明確な説明ができず、ビジネスチャンスを 逃してしまっている。

これでは、その営業マンが多くの売上を獲得してくることは期待できないですし、一方でその営業マンに対しての人件費も多く払ってしまうことになるので、売上は低下していくわ、人件費の負担が重く赤字になってしまうわ、と大変なことになってしまうのです。

改善の取組
  • ・お客様ごとに、商談の記録を付けていき、それは営業マンの日報と連動させる。それを経営者が見て営業マンにアドバイスし、企業1社1社への取組を改善させていく。
  • ・営業マンにロールプレイング訓練を行い、営業の現場でのお客様との接し方、話し方を改善させていく。
    ※ロールプレイングとは、実際の場面を設定し、そこでの役割を演じることにより、実務を改善していく訓練法。

経営者は、悪い状況をどう跳ね返すか、会社が少しでも良くなるようにどう対策を行うのか、それらを考えることが、大変重要な仕事の一つです。

売上を増加させるための対策を何もうっていないから、売上が下がるのです。 とにかくがむしゃらに、いろいろな手をうっていくしかないのです。

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(28)営業の鉄則とは何か

営業マンとしての「正しい価値観」

★営業マンが営業という仕事で成功を納めるため、すなわち成果を出していくためには、営業マンとして「正しい価値観」をもたなければなりません。
★営業マンが持つべき価値観のことを、「営業の鉄則」と呼ぶことにします。「営業の鉄則」として次の2つを挙げることができます。

1つ目    営業マンには言い訳が許されないということです。

生産財営業のようなルート営業の要素が強い営業スタイルの場合、担当する客先によって、あげられる数字が大きくことなってきます。この時、「自分の担当先が悪いから、数字があげられないのです」という考え方は100%間違えています。

担当先が小企業ばかりで、そもそも購買力に乏しいところばかりだというのであれば。
その営業マンは新規開拓に力を入れなければならないのです。

 

担当先が購買力はあるものの、強力なライバルが既に入り込んでいるというパターンもあるでしょう。
いかにライバルと差別化を図り、自社のシェアを上げていくか、という考え方が必要なのです。

 

こうした担当先の企業の差を考慮し、営業マンへの評価を公平なものに近づけるために「予算」というシステムがあるはずなのです。
ですから、 「予算」を達成できていない、というのは「言い訳ができない」という価値観を、営業マン一人一人に浸透させていかなければならないのです。

 

2つ目    営業マンの仕事は「価格競争を回避する」ということです。
            営業マンは「価格で負けました」という言い訳をしてはいけません。

価格だけで売るのならカタログ通販でよいはずです。そこに人が関与しなければいけない要素があるから、営業という仕事が成り立つわけです。

これら2つの鉄則の根っこにあることは、「言い訳をしない」こと
営業という仕事は言い訳をし始めたらキリが無い職種なのです。 求められる数字が上がっていないのあれば、自分の動き方のどこに問題があるのか、あるいは自分自身の何を変えなければならないのか、そのような素直で真摯に取り組む姿勢が、営業において成果につながるのです。

営業マネージャーの仕事は
「部下に勝ち方を教える」ということです。厳しさだけを要求しても部下はついてきません。「こうすればうまくいく」というノウハウを指導できてこそ、部下からの信頼を得ることができるのです。
経営トップ層は
「売れる商品」「自社ならではの商品」を発掘しなけ ればなりません。あるいは「自社ならではの機能」を開発しなければいけません。 「何を」「どこに」「どのように」売るか、というのが営業戦略ですが、「何を」「どこに」の部分を考えるのは経営トップ層の仕事です。

経営者が考えていかなければならない戦闘・戦術・戦略と3階層での施策
・営業マンの価値観(=戦闘レベル)
・マネージャーの指導(サポー ト)スキル(=戦術レベル)
・経営トップ層の商品力開発(=戦略レベル)

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(27)「成果を上げる」

成果を上げている人、上がっていない人の要因とは?

●成果を上げている人、上がっていない人。その差の要因はたくさんある。

「相手の立場を考えて行動しているか?」
「(経済的)利益を意識しているか?」
「論理的に考えて行動しているか?」
この3点に集約されると考えられます。

「相手の立場を考え行動をしているか?」
必要なのは、常に、その仕事に関わる人にどうしたら最大のメリットを提供できるかを考えることです。身近な「報告」という仕事を例に挙げれば、どのタイミングでどうのような報告をしたら、相手の都合が良いか、正確に伝えることができるかを常に考えることです。成果を上げている人はこんな些細なことからしっかり考えて行動していると感じます。
「利益を意識しているか?」ということです。
誤解をして欲しくないのですが、「利益を意識している」とは、「常に損 得を計算して行動しましょう」という話ではありません。自分の責任の中 で、使ったコストをしっかりと把握している。そして、そのコストに見合う収益を確保するという意識で仕事をすることが大事であるということです。
そのためには「意識」も大事ですが、「利益の仕組み」を知識として習得しておくことが大前提です。
最後が「論理的に考えているか?」ということです。
「論理的に考える」と言うと何やら難しいことのように思われますが、「わかりやすく考えること」です。これには2つの意味があります。「自分自身がわかりやすい」と「相手がわかりやすい」の2点です。もし 自分自身ではわかりやすく整理して考えているのに相手にわかってもらえないことが多いならば非論理的であると考えて、アプローチを変えたほう が良いでしょう。
論理的に考える第一歩は、「目的と手段」「結果と原因」これを明確にすることからはじめることです。成果の上がらない人の殆どがこれを混同しています。

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(26)「力相応一番化」

原因⇒結果

◆原因と結果の法則という本が売れ続けていますが、原因⇒結果というのは、シンプル ですが、間違いのない原理です。

売上が上がるという結果を作るには
まず売上を上げるための原因を作る必要があるのです。

 

力相応一番化というものがあります。
その会社ができる範囲のことで一番になれる領域を作り、伸ばそうというものです。
力相応一番化とは「できる範囲の原因作りしかやらない」でも「できる範囲の原因作りは精一杯やる」ということなのです。

 

結局、それが徹底できるかできないかが、売上が上がっている会社とそうじゃない会社との一番の違いになるのです。

できる範囲のことの中で、「より確率が高くて効率的な原因作り」つまり「近道を走る」ことを実行し売上アップを実現させていただきたいと思います。


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(25)「基本」的なことを非凡に実行しているか

「できていて当たり前のこと」=「基本」

●顧客や取引先は、現場第一線の行動でその企業のレベルを判断します。

「時間や約束を100%守りきってくれる」
「常に気持ちのいい挨拶をしてくれる」
「感じのいい言葉遣いが徹底されている」
「いつ行っても清掃や整理整頓が行き届いている」
「何か頼むと、とにかく早く確実に対応してくれる」

...といったことは、顧客や取引先から見て本来「できていて当たり前のこと」=「基本」です。

×チャンスロスが頻発してる企業では、現場の社員が「挨拶や身だしなみをきちんとする」「時間や約束を守る」といった当たり前のことを「そんなことでは差はつかない」と軽視する傾向があります。
逆に、顧客や取引先から見て「できていて当たり前」のことが100%実行でき、さらに「ここまでするのか!」と感動させ与えるほどやり抜くことができる人や企業は、いかなる状況下においても成果・実績を上げ続けているのです。
また、「ウルトラC」的なノウハウばかりを追い求め、結局成果を上げられない人の多くは、「基本」がまったく身についていませんが、長期に渡って実績を上げ続けている方は、「誰にでもわかる基本的なことを、誰よりも熱心に実行し続けている」方ばかりなのです。

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(24)『集団コミュニケーション』

褒める!

★良いユーザーを持てば数字もあがりますし、逆 に厳しいユーザーを持つと数字はあがりません。 しかし、「担当しているユーザーが良いから数字があがるんだ」などといった話が、間違いでもでるようになっ ては、会社として終わりです。
営業マンとして実力があるから、良いユーザーを持てる、力があるから良いユ ーザーを持てるんだ、という前提でマネジメントしていかないと、組織は不活性化するでしょう。

そこで大切なのは「集団コミュニケーション」です。

経営者はなぜ彼がVIPユーザーを担当していて、彼の働きぶりがいかにすばらしいか、という具体的な話をあらゆる場でしなければならない。 あらゆる場、というのは営業会議やミーティングが中心になるのでしょうが、朝礼であったり飲みの席もです。
「褒める」ということは 非常に重要で、部内のトップセールス、そしてモデル社員がどのような動きをして営業しているのか、経営者は同行するなどして観察し、それを全体の前で「褒める」という形をとって「集団コミュニケーション」をとらなければいけません。そして、トップセールスの彼は、単に担当ユーザーが良いから数字があがるのではなく、実力も高いのだと、実力が高いから良いユーザーを持てるのだという共通認識を植えつけなければなりません。
数字が上がったということは本人の付加価値が高いということであり、これは褒めてやらなければいけません。しかも、全員が共通認識できるように褒めてやるべきです。全員の前で、彼のどこがどのように素晴らしいのか、具体的に褒めてやり、その動き方を全員に知らしめてテクニックを伝授することにより、全員のスキアップにつなげていくわけです。

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(23)営業マンの評価

「信用」と「値打ち」

営業マンが売るのは「モノ」ではなく
「信用」と「値打ち」

 

自分が行った仕事の評価
「粗利」

 

どれだけ自らがお客さまに、すなわち世間に対して貢献できたかというバロメーターが
「マージン」すなわち「粗利」である

 

例えば、倒産する会社というのは
言いかえると世間から必要とされていない、 という見方ができます

 

「赤字」というのは
会社にとっての「イエローカード」だと思います。 そして「イエローカード」が続くと最後 は「倒産」にいたります

 

そう考えれば、「赤字営業マン」というのは、理屈ではなく、お客様に対して、 つまり世間に対して貢献ができていないこと
自分の給料の5倍は粗利をあげないと、会社として十分な利益はでませ ん。給料の3倍稼げていないとすれば、それは間違いなく「赤字営業マン」です

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(22)トップセールスへの道『"質問の技術力"を高めよう』

質問力、ありますか?

1.トップセールスには"質問力"がある
「決して話が上手いから好成績なのではなく、質問が上手いから好成績を収めている」
あるリフォーム会社のトップセールスは、お客様の家族構成・勤務先・帰宅時間・ペット・趣味・農作物などのプライベートデータを驚くほど知っている。そして「どんなタイミングで、誰から順番に話をして、最終決定するのは誰か」、「お客様がこだわるポイントは何か」といったことも知っている。
これがトップである所以であり「顧客をどれだけ知っているか」がトップである裏づけであろう。
2.質問で相手にとって有益な情報を与える
クライアントの顧客を訪問すると、「ニーズを把握した上で提案をしてほしい」との声が大変多い。以下は実際の顧客アンケートからの抜粋である。
  • ○営業担当者は大変熱心ですが、こちらの状況を聞かずに一方的な案内が多い。
  • ○一つ困っていることを言えば、そこばかり繰り返す。
  • ○頻繁に訪問してくれるが、忙しいので回数を減らして欲しい。メリットがあるような内容であれば、進んでお会いするが・・・。
3.相手に"気付き"を与える
言葉数が少なかった面談相手が、何かの拍子に自発的に話し始めることがある。これは、何かが相手のツボにはまったからである。
【例】 ある住宅の営業で、お客様が外観(デザイン)・収納・内装・性 能の話ばかりで外溝(庭)の話が全く出なかった。そこで「庭にはのような木を植えますか?落葉樹?針葉樹?芝生はどうされますか?」と質問すると、お客様は外溝も重要な外観の一つであることにハッと気付く。

これは収集した情報を基に、さまざまな角度で「仮説」を立てることが必要である。

「安さ、早さ」で戦うことに限界を感じているセールスパーソンの方々は、お客様を知るため、自社の提供製品・サービスを再認識するために"質問の技術力"を高めることに努めていただきたい。

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(21)『営業カバンの総点検』

準備の差、想いの差

商談において重要である"提案力"に差が出るとすれば
準備の差、想いの差
決して話し上手かどうかではない

 

Aさんの大きなカバン 提案に使う資料やパンフレットがぎっしり入っている。 「いつでも何でも提案できるように、あらゆる資料やパンフレットを持ち歩いています」とのこと。

×

あまり深く考えず「とりあえず持っておいたらいつか使うだろう」ということでは、準備に想いが入っていない証拠である。なので、それらは結局使われない上に的を絞った提案ができない。
Bさんのカバン 入っている書類はそれほど多くはない。 「今日の営業活動で必要な資料を入れています」とのこと。 その日訪問する社数分に分けられたパンフレットや資料が入っており、その他に重点パンフレットが予備で数枚入っていた。

1社1社仮説を立て、準備することで提案に想いが入り、的を絞った提案ができるのである。提案力の強さは、この辺りからも差が出る。

★どこにでも、誰にでも使えるような汎用性のある提案物だけでは、十分な準備とはいえない。
★この顧客のために自分で工夫した提案物、いわゆる"あなたのためのこの1枚"が大切なのである。

あなたのカバンの中身を確認していただきたい。
そこには想いのこもった資料が入っているだろうか。

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(20)『お客様に選んでいただく5つの要素』

お客様は"何を"基準に商品・サービスを購入するのか

会社の信用力、商品力・ブランド力、価格競争力、カスタマイズ・提案力、営業個人の魅力といった5つの大きな要素に分類することができる。

1.会社の信用力 信用力を判断の拠り所とするお客様の心理は「この会社と取引(を継続)するメリットはいかほどか」である。従って、業歴・実績のほか、社内見学や対外向けの活動内容のオープン化、ホームページの更新頻度などがポイントになる。
2.商品力・ブランド力 商品やサービスそのものに価値を感じるお客様の心理は、「この商品・サービスを"敢えて"使うメリットはいかほどか」である。従って、無料定期点検や過去に導入した企業への見学参加の呼びかけなど、わが社でしかできない付加価値や第三者の声を活用する方法がアピールしやすい。
3.価格競争力 価格に焦点を当てるお客様の心理は、「この商品・サービスを購入することで、どれだけのコストダウン・利益創出に繋がるか」である。従って、立地メリットによるメンテナンスコストや、お客様の事情(季節要因・繁閑)に合わせた価格の弾力化提案などで、お客様のための価格価値を訴求することがポイントとなる。
4.カスタマイズ・提案力 提案力に価値を感じるお客様の心理は、「今後もわが社に利益をもたらす提案が期待できるか」である。従って、在庫や商品ライフサイクルに応じた最適情報提供機能や、メンテナンス時期におけるリマインドメールといった購入後の"仕組み"を見せることが有用。
5.営業個人の魅力 営業パーソンに価値を感じるお客様の心理は、「この人間の持つ魅力は、わが社(私)にとっていかほどか」である。従って、お客様のライバル情報に精通することは勿論、自社が提供できる商品・サービスのみに留まらない、課題解決姿勢を見せることが重要。「ここにしか存在しない」という価値を自らが持つことに尽きる。

★差別化を図る上での営業上のポイントは、この5つの要素をお客様特性別(法人/個人)、商品・サービス特性別(リピート/スポット)に活かしきることである。

(19)『拠点長(リーダー)のあるべき姿』

「価値判断能力」と「リーダーシップ」

拠点長に求められる能力
「価値判断能力」と「リーダーシップ」
 

現在のような環境の中で拠点長に求められる役割は「業績向上」であり、必要な能力は「アイデア・発想力を持ち、顧客目線・営業目線で行動できる力」である。

K支店長は、赴任直後から顧客のニーズを知るためのキャンペーンを展開し、回答した顧客には無料サービスが受けられるようにした。
そして、問題解決策を提案した営業社員には点数を付与し、ゲーム感覚で点数を集めると評価される仕組みとした。その後、すぐに提案手法を変え、どのようなお客様でもわかる「例え話による商品案内」を10種類作成し、営業展開した。
このように次々と新しい手を打つことで業績は上がり、社員のモチベーションも向上。3年連続日本一の拠点となった。

  • ◎成功した手法を活かすことは大切であるが、それに依存してはならない。顧客・環境は変わるのである。
  • ◎営業目線を忘れてはならない。営業社員も同様に、成功に依存しやすいのである。営業社員が常に新しい視点で顧客と接することができるよう、トップは日々アイデアを繰り出すことが必要である。

マネジメント・営業力だけでは、拠点長の仕事は務まらない時代となっている。拠点長自身が常に新しい発想で考え、そして営業社員の視点に合わせたモチベーションアップ施策を打ち出すことが、これからは必要とされる資質である。

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(18)『"戦略"と"経営"が分かる経営幹部を育成せよ』

戦略にコミットしながら実行推進

「企業経営を進めて行く上で最も大切なこと
人材育成を継続して行うこと
 
★現在のような経済環境下で優先的に育成をしていかなければならないのは"戦略"と"経営"が分かる次世代経営幹部である。「組織は戦略に従う」の言葉通り、戦略構築ができ、その戦略にコミットしながら実行推進していく必要がある。

1.戦略(中期ビジョン)構築プロジェクトを発足させる
2.プロジェクトメンバーで定期的に事業戦略・経営戦略策定を行う
3.トップのフォローの下、策定した事業戦略・経営戦略推進を行う

戦略構築の着眼ポイント
◎事業別の現状認識と存在価値の明確化
◎組織戦略の構築・収益構造のイノベーション
これらに経営管理システムの再構築をしていけば良い。

 

戦略"と"経営"が分かる次世代経営幹部を育成していくためには
自社のビジョンを具体的に設計することに関与させ、次世代経営幹部メンバーで構築した自社のビジョンを実行具体策まで落とし込み、スケジュール化して推進していくことである。

 

★勿論、トップのフォローが必要ではあるが、経営管理システムを条件として整備しておくことで、経営の舵取りができるようになることと、問題点・課題を早期に発見することができる。

いずれにしても、次世代経営幹部の育成をしていくには、経営に積極的に関わらせる取組みを起こさなければ、成果は上がらない。

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(17)『営業のプロセス改革』

プロセス改革3ステップとは?

★"プロセス管理モドキ"を行っているだけで、本当のプロセス管理ができていないことが多い。今回は、実際に導入を成功した"プロセス改革3ステップ"について説明する。

第1ステップ:現状認識

営業プロセス改革を行う際に、まず初めに着手すべきことはプロセスを分解することである。ここでの注意点は、単純に訪問件数や見積もり件数、決定率だけを見るのではなく、営業プロセスを細かく順序立てて分解することが求められる。

例えば商社新規営業の勝利の方程式は、『訪問件数×キーマン面談率×引合い率×対応可能率×決定率×単価』となる。

ここで引合い率が低ければ、キーマンに面談はできているが、何らかの理由でそのキーマンからの引合いがきていないということがわかる。つまり、受注に至らないボトルネックは「キーマンへの提案力」だと考えられる。 このように細かく分解してボトルネックを見つけることが、プロセス改革の第一ボタンとなる。
第2ステップ:重要業績評価指標(KPI)の設定
現状認識の結果に基づいた、重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicators)の設定である。例えばキーマン面談率やプレゼンテーション率、決定率などが多く採用されている。設定する際の注意点は、カウントしやすい指標、ボトルネックを改善させるための指標にしなければならない。営業担当者に意識させ、追求させる指標とすることこそが第2ステップでは最重要事項である。
第3ステップ:見える化による運用

「営業の見える化」と言うと、すぐに棒グラフなどで個人別実績を壁に張り出すことを思い浮かべる向きがあるかもしれないが、それだけでは決してプロセス改革は達成できない。

達成度合いを営業担当者に意識させる、社内のライバルとの差を明確にすることで発奮させるという意味では、グラフを張り出すことも確かに効果的ではある。しかし、今回は運用面を重視していただきたい。つまり、 社員のモチベーションをアップさせるための工夫をしてほしい。

例えば競馬に見立てた表を作成し、KPI目標達成進捗率100%をゴールとして競わせるような遊び心も時には必要だ。また、商談スキルが低いメンバーが多い場合であれば、朝礼の後に毎日、全メンバーで商談ロールプレイングを実施するのも効果的である。こうすることでトップセールス、あるいは上司の営業ノウハウを若手が盗む機会にもなる。紹介したように運用面に重点を置き、KPI達成率やノウハウ、スキルを見える化することが必要である。

営業は結果が出なければ、いくら労力を費やしても価値がないのである。 全社レベルでのプロセス改革で労力のムダ遣いをなくし、営業全体の底上げをしていただきたい。


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(16)『個人営業目標を早期に達成させるポイント』

(16)早期目標達成のポイントとは?

★先日、毎月開催しているA社の営業会議において、Bさんは今期も4ヵ月を残して個人目標の達成を確実にした。残りの4ヵ月は来期に向けた種まきとしての活動ができるのである。

早期目標達成のポイント
先行管理の徹底にある

★A社の営業会議では先月の結果の確認で終わるのではなく、常に先行6ヵ月もしくは期末までの累計目標差額の確認と対策の検討を行っている。

先行管理の本質とは
先を読み、先に手を打つ先手必勝の仕組みづくり
 
早期目標達成のポイント
スピード 先を読みながら後回しにせず常にスピード対応を心がけている。また、受注確定までスピードを緩めず推し進めていくことも大切である。
準備 これも先を読み余裕を持って準備を徹底するのだそうだ。余裕があるのでさまざまな場面を想定し準備ができる。Bさんの言葉を借りると「これでもか」というくらい準備するそうだ。提案ツールは勿論、お客様が来社される時にはそのお客様に関係のあるもの、話題に上りそうなものをそっとディスプレイするという徹底ぶりである。
 
営業活動の着眼点を再確認しよう!
1.自分の営業目標における6ヵ月先行累計差額を認識しているか
2.目先対応に追われ近視眼的になっていないか
3.先を読み、その上で今やるべきことを明確にできているか
4.受注確定までスピードを緩めず、一気に推し進めているか
5.余裕を持った準備期間を持ち、「これでもか」というくらいの準備ができているか

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(15)『営業スキルを磨くためのヒント』

顧客の問題解決パートナーに

★今回は、営業でスキルアップを目指す人にヒントをご紹介したい。

1.顧客の問題解決パートナーになる
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提案営業に不可欠なヒアリング力とは"関心力"だ。顧客の問題解決を担うというスタンスに立てば、もっと顧客のことを知りたくなる。顧客が何に悩み、何に困っているか、どんな問題があるのかを、まず知る。そしてプロの視点から提案する。
その際、自分の力を過信せず、会社の組織や情報をいかにうまく使うかが結果の成否を分ける。モノ売りではなく、顧客のパートナーというプライドを失わないでほしい。
2.ストレッチ・カスタマーと付き合う
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営業経験を積むためにも、より多くの顧客と会うべきだ。最初から好き嫌いや選り好みをする人に成長はない。その中でも特に、自分を成長させてくれるようなレベルの高い顧客(ストレッチ・カスタマー)に挑戦したい。
その場合、一回一回の商談が真剣勝負になる。相手に「会ってもメリットがない」と思われたら、その時点でアウト。入念に準備して訪問し、反省して勉強するプロセスが、貴重な財産になる。
3.ロイヤル・カスタマーを育てる
∞─∞─∞─∞─∞─∞─∞─∞─

営業の究極の目的は、自社や自分の信者(ロイヤル・カスタマー)を増やすことにある。信者の数は営業としての勲章。信者がたくさんいれば成績は安定し、月々の目標達成に困らなくて済む。
そのためには、目の前の顧客から「笑顔」と「ありがとう」をたくさんもらうことだ。それは自らの仕事の原動力にもなる。多くの顧客に信頼され、任されるようになれば、やがて"自信"という武器も手に入るだろう。

営業は顧客と喜びを分かち合える素晴らしい仕事。結果に責任を持つという点では最も経営者に近い職種かもしれない。プレッシャーに打ち勝つことで人間としても成長できる。ぜひ営業という仕事を通じて、人生をより豊かなものにしていただきたい。


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(14)『ワンランク上の営業スキル』

お客様にも個性(タイプ)があります。

★今までの営業活動の中で、お客様とフィーリングがとても合い、あっと いう間に誓約に辿り着いたことはないだろうか?また、価格・提案内容ともライバルに勝っていたにもかかわらず、失注になってしまった経験はないだろうか? あなたに個性(タイプ)があるようにお客様にも個性(タイプ)があり、そこに原因が潜んでいる。今回はお客様のタイプ別対処法を紹介したい。

1.自己中心タイプ

自己主張が強いタイプであり、リーダーシップを取りたいと考えている。そのため、営業担当が商品知識をひけらかし、リードしようとする姿勢を嫌う。

<対処法>
商談では相手に決めさせるような流れを作り、最終的に自分で選んだと思わせることが必要である。あなたが自己中心タイプの場合は、自分をある程度抑えることが求められる。
2.社交タイプ

明るく楽天的で営業担当と話すことも苦にならない。また感性を重要視し、細かいことを気にしない傾向があり、周りから誉められたいという意識が他のタイプと比べると高い。

<対処法>
商品の詳細ではなく採用した際の効果を主に説明し、周りから賞賛される旨を伝えることが必要である。あなたが分析タイプの場合は、商談上で説明しようと考えている内容の50%を説明すれば十分である。
3.安全志向タイプ

今までと違うこと、周りと違うことをすることを嫌う。また他のタイプと比べると上司の目を気にする傾向が強い。

<対処法>
同じような成功事例を説明することが必要となる。とくにイメージしやすい身近な事例が効果的であろう。
4.分析タイプ

データを重視し、データに基づかない提案は信用しない傾向がある。

<対処法>
提案書の中にしっかりデータを記載し、順序だてて説明することが求められる。憶測でモノを言うと、決して信頼を獲得することはできないと心得ていただきたい。感性が強い、社交タイプの営業担当は注意が必要である。

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(13)『営業の見える化』

見える化とは?

見える化
情報を共有するため"見える"ようにすること

 

★"見える化"の目的は、企業と営業社員の現状によって変わってくる。目的に応じて、方法も変えていくことが必要である。大きく4パターンに分けてみます。

(1)業績向上、やる気が高い企業 A社では、12カ月の目標達成の勝敗を掲げている。2月から始まり、現在「4勝0敗」である。掲げているのは毎月の勝敗と個人別実績であり、「今年も全勝」が合言葉である。
(2)業績向上、やる気維持または減少企業 業績は向上しているものの、やる気は変わらない、または減少している営業社員が多く存在するB社では、「個人別」から「チーム別」の実績表に変えた。
それによりチームリーダーは、チーム一丸となるように「チームワーク」を重視し始めた。個人攻撃ではなく、チームがどうすれば目標達成できるかを考え、それにメンバーも答えるようになってきた。
(3)業績減少、やる気が高い企業 業績は減少、低迷している企業でも、営業社員のやる気が高いC社では、「新規アタック先」、「既存先のスキマ表」でターゲット先を明確にし、「期限:いつまでに」を徹底チェックしている。新規先は「いつ、初訪」、既存先は「いつ、何を」をそれぞれ決め、実行している。
(4)業績減少、やる気減少企業 業績、営業社員のやる気ともに減少傾向にあるD社は、試行錯誤の末、各営業社員の特性により、「新規開拓グラフ」、「既存先スキマ表」、「粗利益率グラフ」のうち1つを選択し、個人別グラフを作った。

"見える化"は、「何を」管理するかである。先行管理もしかり、「何を軸」にするかで管理の方法が変わる。企業、営業社員の現状、特性を把握し、「軸」を決めて"見える化"を進めていただきたい。


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(12)営業管理の3大ポイント

営業管理がうまく機能しないとは?

営業管理がうまく機能しない大半の理由
◎プロセス管理
◎情報管理
◎先行管理の発想がない
もしくは発想はあっても徹底の度合いが弱いためである。

 

営業管理をうまく機能させるポイント
1.管理基準の設定
  • (1)生産性基準
    生産性基準はわかりやすく、行動基準とリンクしたものでなければならない。あれもこれもと設定せず、3~5項目程度に絞ること。

     例:営業社員1人当たりの月間受注額(売上高)、粗利益率、見積り・新規開拓・有効面談件数

  • 2)行動基準
    生産性基準を達成するための行動基準を設定する。

     例:月間見積もり目標数5件を達成するための行動基準を設定
 a.訪問行動基準
 月間訪問件数・・・100件
 有効面談件数・・・80件
 b.ランク別訪問基準と手持ち情報数
ランク 受注期間 訪問基準 手持ち情報数


当月受注
1カ月以内受注
3カ月以内
1回/週
3回/月
1~2回/月
10
60
30
 c.販促活動基準(例)
販促活動 実施回数
DM・FAX発信
TELフォロー
個別デモ
ユーザー説明会
展示会
30通/週
20社/週
3社/月
1回/2カ月
1回/3カ月
2.チェックの実施
現場レベルでの実行・徹底を図るため、設定した基準と実績を毎日チェックする。
3.行動基準を「ボード化」「見える化」する
行動基準を"ボード化"して壁に張り出すと良い。営業社員を追い込む目的ではなく、あくまでも「行動基準を意識し、行動を変えるためのもの」という趣旨・目的を、誤解を与えないよう十分に伝えておく必要がある。
4.先行で行動計画を組み立てる
週末までに翌週の行動計画を上司へ提出する。上司は「行動基準通りか」「6W3H」(だれに何をどうやって提案するか)をチェックし、的確なアドバイスをする。この行動計画も「ボード化」「見える化」し、「誰がどこへ行っているのか」が全員にわかるようにする。

営業社員の行動をブラックボックスにしてはならない。さらに行動を意識させるため、日報チェックや毎日の受注結果発表などを行うと効果的である。


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(11)"売る"ことに特化させる営業戦略

しっかりと利益を稼ぐ仕組みを!

しっかりと利益を稼ぐ仕組みが必要

優秀な営業社員にすべてを任せても業績は上がらない。業績を上げるには、組織(全社)と営業社員一人ひとりが取り組むことを明確にし、それぞれ役割を分担することで営業社員の力が発揮できる、組織営業が重要になる。

組織営業とはどういったものかとそのプロセス
(1)どこをターゲットにするか(顧客)
どんなに良い商品でも、ニーズのない先に営業をかけても成果は出ない。まず、マーケットを調査・分析しなければならない。その上でターゲットを決め、どこ(顧客)に、誰(担当)が、いつ(時期)行くのかを決定する。個人で選別せず、会社全体で決定しなければならない。
(2)何を重点商品とするか(商品)
自社の扱う商品および企画は顧客によって変わる。現状の商品分析が重要である。分析項目は次の通り。
  • ○商品ライフサイクルと市場ポジショニング
  • ○今後の需要動向とニーズ変化
  • ○ライバル会社、競合商品の動向
  • ○商品コンセプト(商品の価値)の確立
  • ○品質・価格・サービス・納期・品揃え・企業イメージなどの状況把握
  • ○商品構成の方向とシェアアップ戦略
  • ○売上高・粗利益率の傾向分析
3)どのように販売するか(方法・ツール)
仕掛けをつくることも組織として取り組むべきことである。既存取引先の深耕、新規先の開拓、ロストユーザー・スリーピングユーザーの掘り起こしなどは、展示会方式、タイアップ方式、紹介作戦、DM(ダイレクト・メール)などで、営業社員が動きやすい体制づくりをすることが重要である。

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(10)日報活用による営業プロセス革新

売上は企業業績の出発点である

★営業活動をしない企業は存続し得ない。

★売上は企業業績の出発点。

★営業活動なくして会社経営は成り立たない。


しかし


多くの企業が、営業活動そのものを議論していない。

月末の数字についてのみ長時間議論する会議はそろそろやめにしてはどうか? 必要なのは結果を管理することではなく、結果を生み出す「プロセス」を管理することである。

1件の受注のためには、その5倍の企画書提案が必要であり、1本の企画書を出すためには、その5倍のネタが必要であり、1個のネタのためにはその5倍の面談数が必要であるとするならば、必要とされる顧客訪問件数はおのずと決まってくる。その過程をマネジメントすることが、業績向上のためには必要なのである。

その為には


日報を活用する

⇒営業担当者が自分の営業プロセスをチェックするためのツールである

⇒記入に多大な時間がかかるような複雑な書式の日報は不要

⇒顧客の訪問後その場で記入でき、かつ次の計画を立てる情報源となる日報にする。

(9)ヒアリング項目を絞り込め!

お客様のニーズ・ウォンツをとらえた提案を

★今の時代の営業は、お客様のニーズ・ウォンツをとらえた上で提案をしなければならない。「自社の営業はニーズに合った提案をしている」という話を経営者からよく聞くが、本当にそうだろうか。

ニーズ・ウォンツをとらえるには
お客様へのヒアリングが重要
 
トップセールス 多くの営業社員
具体的にお客様のニーズや問題点を把握している 自分ではヒアリングができているつもりでも「肝心な内容が聞けていない→相手のニーズ・ウォンツが分からない→的確な提案ができない→売れない」といった悪循環に陥っている。

営業社員のヒアリング力・提案力不足改善策
1.質問項目の絞り込み
あらかじめ必要な質問を12項目決め、最初の面談で必ず聞くことを徹底した。マニュアル化により、若手社員でも確実に必要事項のヒアリングが行えるようになり、またお客様のニーズ・ウォンツを早期につかむことで、2回目以降のアポイント率向上に成功した。
2.目的と手段を明確にする
お客様から家を建てる夢を聞き出すことで、目的(夢実現)のための手段(家を建てる)という考えを徹底させた。お客様の目的を達成させるための手段としての商品提案を意識させることで、お客様の要望に即した提案を行えるようになった。
3.仮説による提案
ニーズを盛り込んだ企画を3パターン用意し、「お客様のご要望はここに盛り込まれています」と1つひとつ確認しながら提案することで、お客様の納得を得ることに成功。3パターンの中からお客様に納得して選んでもらう方法で、受注数の向上につなげた。

これらの改善点はどの業界にも活かすことができる。まずは必要なヒアリング項目を検討し、お客様にとって有効な提案へとつなげていただきたい。


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(8)『5Sによる営業力アップ』

(8)営業現場における5Sについて

5S=整理・整頓・清掃・清潔・躾

★営業現場では意外と意識されていないことが多い。業績向上に向けた効率アップという観点から見た場合、やはり営業現場においても5Sの基本はなくてはならないものである。今回は、営業現場における5Sについて述べてみたい。

Ⅰ.5Sの「心」を営業に活かす 5Sを推進していく上で必要なのは「心」だ。5Sの心とは、すなわち企業人(社会人)としての品性を表すものである。具体的には、
  • 1.「整理・整頓の心」・・・思いやりの心、気配りの心、時間を大切にする心につながる。
  • 2.「清掃・清潔の心」・・・けじめの心、物を大切にする心につながる。
  • 3.「躾の心」・・・協調心、自律心、道徳心につながる。
Ⅱ.営業現場から見た5S 業績を上げるためには、快適に仕事ができる環境を整える必要がある。
  • 1.整理
  •  ○見込み客情報・・・成約の可能性が高まったか、後退したか、あるいは消滅したかをその都度更新しておく。
  •  ○営業ツール・・・常にレベルの高いプレゼンができるように、データは最新のものに更新し、グラフや表などを活用して、お客さまに対する説得性を高める努力をする。
  • 2.整頓
  •  整理した情報や資料を常に共有し、いつでも、どの担当者でもすぐに利用できるようにしておく。
  • 3.清掃
  •  職場(事務所・デスク)や社用車、鞄の中を常にきれいにする。
  • 4.清潔
  •  清掃によってきれいな状態を維持する。
  • 5.躾
  •  ○社内でのあいさつや報連相を徹底し、チームワークを高める。
  •  ○お客さまに対してあいさつはもちろんのこと、約束したこと(取り決めや訪問時間)を必ず守る。
Ⅲ.5Sの目的 実際の作業現場だけでなく、営業現場においても、なぜ5Sが必要かを考えなければならない。
  • 1.生産性を高めるため毎日の業務の中で付加価値を生んでいる業務がどれだけあるか。
  • 2.環境づくり・意識付け(仕事を円滑に行なうための手段)のため本来、目的を達成するための手段が、手段から目的化してしまっていないか。
  • 3.仕事の標準化のためいつでも、誰でも、すぐにできるようにする。

"5S"をスローガンとして掲げる企業は多く見られるが、「言うは易し、行うは難し」である。各人が意識しなければ、なかなか徹底はされない。まずは自身の現場における"5S"を見つめ直してみてはいかがであろうか。

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(7)営業担当者必見!『目的と手段、そして顧客第一義』

目的と手段に対する認識が間違っている!?

★ある機械メーカーの若手営業担当者から、次のような疑問の声を聞いた。 「こんなに高性能な機械なのに、なぜ買ってもらえないのでしょうか?時間当たりの生産数、耐用年数、価格のどれをとっても他社より優れているのに......」。

その疑問の答えは


営業担当者が「お客さまの目的と手段に対する認識が間違っている」ということが考えられる。

★身近なものに例えてみると、「薬局では風邪薬を売っているが、お客さまが欲しいのは風邪薬ではなく、健康である」。要するに、"風邪薬は健康になるための手段であって、目的ではない"ということだ。

先に述べた機械メーカーの営業担当者は、目的と手段を履き違えていたわけである。お客さまは高性能の機械が欲しいわけではなく、消費者に売る高品質の製品を求めていたのだ。それにもかかわらず、機械の高性能を前面に出して営業をかけていた。売れない訳である。

お客さまが本当に求めているものと、自分が売りたいものは必ずしも一致しない。本当にお客さまが求めているものは何か。改めてお客さまの視点に立って、考えてみてはいかがだろうか

「顧客第一主義」を掲げている企業は数多くあるが、実際に行動に移している企業は少ないものである。本当の顧客第一主義とは、お客さまの立場になり、お客さまが求めるものを見つけ、ようやく始まるものなのだ。

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(6)トップセールスへの道 常に「なぜ?」と「どうする?」を考える

「なぜ売れないのか?」「どうすれば売れるのか?」

営業担当者であれば、「なぜ売れないのか?」「どうすれば売れるのか?」をもっと考えるべきである。営業をしていれば売れない時は必ずやってくる。その時に原因自分論で「なぜ売れないのか?」「どうすれば売れるのか?」を客観的に考えて、原因を明確にし、すべての行動を変えることが必要である。

  • ●「訪問件数は十分か(トップ営業と比較してどうか)」
  • ●「訪問する会社はどうか(同じ会社にばかり行っているのではないか)」
  • ●「面談者はどうか(決裁権のない人とばかり、商談をしているのではないか)」
  • ●「提案している商品は?」「商談のやり方は(ピントが合った商品・提案をしているか)」など

それを週単位でテーマを定めて実行してみる。その繰り返しの中から、突破口は見えてくるはずである。考えるから気付くし、気付くから行動を変えられる。行動が変われば成果も変わる。

この「どうすれば売れるか?」を真剣に考えることは非常に重要で、これができていないと売れない時に自分で考え、自分で行動を変え、売上げを創る真の営業力が身に付かないからである。

しかし、営業というのは面白いもので、やり方を変えずにやっていても売れてしまう時がある。これが非常に厄介だ。このため、真剣に考えなくなっている営業担当者が多く、そして売れなくなった時に何の対策も立てられずに、長期間低迷する者が多いのであろう。

売れた時も売れない時もしっかりと要因・原因をつかみ、真の営業力を身に付けて欲しい。

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(5)最後の決め手は人材強化

企業経営の成否は人材の出来、不出来!?

★企業経営の成否は究極的に人材の出来、不出来にかかっている。

特に重要なのは

顧客に一番近い立場で「価値の提案」を行う、営業スタッフの能力である。

駆け出しのC級セールスの場合

一生懸命さは買えるが、商品説明が不十分で「お願いします」「いかがでしょう」を連発する。まさに「お願いセールス」「御用聞きセールス」の典型であり、商談成立の可能性は低い。

ベテランのB級セールスの場合

長い付き合いの得意先に出向き、「今度出た新商品です。置かせて下さい。損はさせませんから」と問答無用に顧客の店舗に置かせる。いわゆる「押し込みセールス」であり、やがては返品になるかもしれない。

洗練されたA級セールスの場合

新商品が従来品と比べて品質や機能面で何がどう違うか、いかに価格がリーズナブルかを明確に説明する。この商品が与えるメリット、さらには得意先にとってどれだけプラスになるかの根拠もきちんと示す。納得ずくの契約を引き出す「提案型セールス」であり、得意先から感謝と期待の言葉までもらう。

★このように、実際の価値を構成する商品・価格・サービスなどが全く同じであっても、説明する人により顧客が受け止める「価値」は違ってくる。


人に対する説得力である。これが成否を分けるといっても決してオバーではない。


1.YES・YES法 「おっしゃるとおりです。だからこそ、この機会に・・・」とテンポアップする。
2.YES・BUT法 「おっしゃるとおりです。しかし、このケースは・・・」と、いったん認めてから違いを示す。
3.質問法 「とおっしゃいますと?」「なぜでしょう?」と、反対理由の真意をつかむように尋ねていく。
4.聞き流し法 取り合わずに話を進める。
5.資料転換法 資料の方に注意を向け、会話の転換を図る。
6.例話法 「こんな会社があります」などと、事例を盛り込んで理解を促進する。
7.正面撃退法 「とんでもないです」と、理不尽な指摘ははっきり否定する。

応酬話法に加えて「TPO」(Time:時、Place:所、Occasion:場合)を覚えることも大切だ。TPOの特徴をつかみ、TPOで対応を変え、さらにOPT(Optimism:楽天主義)で明るく前向きの態度で臨むことが、説得力を強めるコツである。"捨てるものは捨て、育てるものは育てるという重点方式が必要だ。"


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(4)公募案件、商談獲得のポイント

公募を落札するにはどうすれば?

先日ある講師の方より「公募を落札するにはどうすれば?」というご質問をいただきました。
以下にポイントを挙げます。

1.企業側の要求事項を120%満たす!

⇒研修には目的・期待効果がありますね。公募情報から相手の企業が求めていることを察知して、それを十二分に満たす必要があると思います。要求事項からずれていたり、自分の得意分野へ無理やり誘導するようなオファーは、初回商談では好ましくないと思います。

2.価格条件を満たす!

⇒予算があっての研修投資ですね。当然ながら予算があうことが必要条件です。初回取引であれば、できれば想定額の8割以下でチャレンジされるのが良いのではと感じます。高い効果があれば、高い確率でリピートが来るはずです。

3.付加価値で差をつける!

⇒どのようなサービスであれ、法人向けのビジネスでは「他と比較される」ことが前提条件。ですので付加価値=他の講師にない魅力・特徴が際立っていなければなかなか注目してもらえません。プロフィール情報から、講師としての実績や魅力が十分伝わってきて、付加価値を感じることができれば「会ってみたいな」と商談に繋がる可能性がグッと広がると思います。

(現場に自信のある方は「動画掲載」で差別化を図ることもできますよ)。

いかがでしょうか?なかなか短いオファー文章からすべてを満たすのは難しいと思いますが、やはり「想像力」のある講師は、相手の求めていることを「行間」から読み取ったり敏感に「察知」できる能力にも長けていると感じます。 公募へのメール入札でも"コミュニケーション"能力が問われますよね。


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(3)「書く力」

資料作りの「上手い、へた」には「書く力」が重要

資料作りの「上手い、へた」には「書く力」が重要です。

大きな部分 細かい部分
・タイトル
・狙い
・期待効果は必須です
・大項目だけではなく中小項目まで
・それぞれの項目で何をやるのか、その目的は何か
・どんな形式で進めるのか
・どんな備品が必要なのか
・オリジナリティの高いメニューには解説を

特に資料が一人歩きする場合、つまり意思決定者に直接説明できないような場合はそれなりの配慮が必要ですね。
違う人間が説明すれば、間違いなく正確には伝わりませんので。


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(1)『問題解決能力を身につけるための質問

質問する時の三つのコツとは?

★説明不足から起こる問題が多く見受けられるものです。 例えば、会議で自分の頭の中に描いているイメージをきちんと説明できていないのにもかかわらず、他の人に伝わっていると勘違い。そのまま会議は進行して最後に「あれれ、何か違うぞ?」となるようなケースです。

「問題解決」の初期段階では問題の漠然としたイメージをきちんとした概念として把握することが大切です。
問題の流れがボトムアップであれトップダウンであれ、わからないことは質問し、問題をしっかりと概念として把握し、共有するという基本を組織に定着させましょう。

★実は、質問の方法によっては問題報告の時点でそのまま解決に向かうケースは結構多いのです。
質問する時にちょっとしたコツを三つ覚えておくと問題解決能力は格段に上がります。

1)「私はあなたよりもよくわかっている、よく知っている」と いう価値観は捨てましょう。

「私は知らない、よくわからないから教えて欲しい」という謙虚な立場に立ってみましょう。

(2)同じ質問は一度でなく三回以上は続けてみましょう。

人や組織の問題は数学の問題と違って「解」は一つではありません。
「それ以外にはないですか?」「他にはもうないかな?」と何度か問い掛けてみましょう。

(3)意識が過去へと戻るような質問は繰り返しても意味がありません。

例えば何か失敗した場合「なぜ、失敗したのか?」という質問の繰り返しでは問題の本質には近づきません。
本当に知りたいのは「どうしたら、成功するのか」ということですね。意識を前に向かわせる質問をしましょう。

★ただし、決して好奇心旺盛な子どものような質問攻めにならないように。人は詰問されると逆に自分の枠内に逃げ込もうとします。

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(2)『ある化学会社での社長プレゼン』

社員研修の3つのヒント

先日、ある化学会社の中堅社員が社長プレゼンする場に立ち会いました。内容的には、非常にいいものでしたが、言いたいことがなかなか役員方に伝わっていきませんでした。そのため、技術的な瑣末な質問攻めに会い、プランそのものがお蔵入りしそうになっていました。

そこで、私が助け舟を出しました。ただ私がやったことといえば、プレゼンシートを1枚も使わずに、彼らがプレゼンしたいことのポイントを口頭で整理しただけでした。

プランの実行計画の瑣末な欠点からプランそのものが否定されてしまうのか、それともプランの必要性ではコンセンサスを取り、実行計画の徹底度の検証を要求されるのかでは、経営という視点では天と地ほども違いがあります。

そもそも、未来の技術に対して、微塵も不安がないなんていうケースは稀です。欠点を探せばいくらでも出てくるのです。その不安を知恵とやる気で克服していくところが人間のよさであり、さっと考えて100%OKなんていうものが、競争力の源泉として、世の中にごろごろしているなんていうラッキーはあまり期待しない方がよいでしょう。

今回の話のポイントは

「なぜそのプランをやるのか」が十分コンセンサスを取れれば、どうやるのかはいくらでも考えられるということで、「なぜ」の部分で必要性を理解させなければ、瑣末な議論でプレゼン全体が否定されてしまい、将来の礎を失う意思決定をしてしまう可能性があるということです。

<社員研修のヒント>
  • 1.社内コンセンサスに必要なプレゼン技術を身につけていますか?
  • 2.「なぜ」の部分の理解を得て「方法論」を考えるステップを踏んでいますか?
  • 3.社員のプレゼン能力を高める社内教育・トレーニングを実行していますか?

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