(17)『営業のプロセス改革』

プロセス改革3ステップとは?

★"プロセス管理モドキ"を行っているだけで、本当のプロセス管理ができていないことが多い。今回は、実際に導入を成功した"プロセス改革3ステップ"について説明する。

第1ステップ:現状認識

営業プロセス改革を行う際に、まず初めに着手すべきことはプロセスを分解することである。ここでの注意点は、単純に訪問件数や見積もり件数、決定率だけを見るのではなく、営業プロセスを細かく順序立てて分解することが求められる。

例えば商社新規営業の勝利の方程式は、『訪問件数×キーマン面談率×引合い率×対応可能率×決定率×単価』となる。

ここで引合い率が低ければ、キーマンに面談はできているが、何らかの理由でそのキーマンからの引合いがきていないということがわかる。つまり、受注に至らないボトルネックは「キーマンへの提案力」だと考えられる。 このように細かく分解してボトルネックを見つけることが、プロセス改革の第一ボタンとなる。
第2ステップ:重要業績評価指標(KPI)の設定
現状認識の結果に基づいた、重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicators)の設定である。例えばキーマン面談率やプレゼンテーション率、決定率などが多く採用されている。設定する際の注意点は、カウントしやすい指標、ボトルネックを改善させるための指標にしなければならない。営業担当者に意識させ、追求させる指標とすることこそが第2ステップでは最重要事項である。
第3ステップ:見える化による運用

「営業の見える化」と言うと、すぐに棒グラフなどで個人別実績を壁に張り出すことを思い浮かべる向きがあるかもしれないが、それだけでは決してプロセス改革は達成できない。

達成度合いを営業担当者に意識させる、社内のライバルとの差を明確にすることで発奮させるという意味では、グラフを張り出すことも確かに効果的ではある。しかし、今回は運用面を重視していただきたい。つまり、 社員のモチベーションをアップさせるための工夫をしてほしい。

例えば競馬に見立てた表を作成し、KPI目標達成進捗率100%をゴールとして競わせるような遊び心も時には必要だ。また、商談スキルが低いメンバーが多い場合であれば、朝礼の後に毎日、全メンバーで商談ロールプレイングを実施するのも効果的である。こうすることでトップセールス、あるいは上司の営業ノウハウを若手が盗む機会にもなる。紹介したように運用面に重点を置き、KPI達成率やノウハウ、スキルを見える化することが必要である。

営業は結果が出なければ、いくら労力を費やしても価値がないのである。 全社レベルでのプロセス改革で労力のムダ遣いをなくし、営業全体の底上げをしていただきたい。


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