2017年9月29日
(5)最後の決め手は人材強化
企業経営の成否は人材の出来、不出来!?
★企業経営の成否は究極的に人材の出来、不出来にかかっている。
特に重要なのは
顧客に一番近い立場で「価値の提案」を行う、営業スタッフの能力である。
駆け出しのC級セールスの場合
一生懸命さは買えるが、商品説明が不十分で「お願いします」「いかがでしょう」を連発する。まさに「お願いセールス」「御用聞きセールス」の典型であり、商談成立の可能性は低い。
ベテランのB級セールスの場合
長い付き合いの得意先に出向き、「今度出た新商品です。置かせて下さい。損はさせませんから」と問答無用に顧客の店舗に置かせる。いわゆる「押し込みセールス」であり、やがては返品になるかもしれない。
洗練されたA級セールスの場合
新商品が従来品と比べて品質や機能面で何がどう違うか、いかに価格がリーズナブルかを明確に説明する。この商品が与えるメリット、さらには得意先にとってどれだけプラスになるかの根拠もきちんと示す。納得ずくの契約を引き出す「提案型セールス」であり、得意先から感謝と期待の言葉までもらう。
★このように、実際の価値を構成する商品・価格・サービスなどが全く同じであっても、説明する人により顧客が受け止める「価値」は違ってくる。
人に対する説得力である。これが成否を分けるといっても決してオバーではない。
1.YES・YES法 | 「おっしゃるとおりです。だからこそ、この機会に・・・」とテンポアップする。 |
2.YES・BUT法 | 「おっしゃるとおりです。しかし、このケースは・・・」と、いったん認めてから違いを示す。 |
3.質問法 | 「とおっしゃいますと?」「なぜでしょう?」と、反対理由の真意をつかむように尋ねていく。 |
4.聞き流し法 | 取り合わずに話を進める。 |
5.資料転換法 | 資料の方に注意を向け、会話の転換を図る。 |
6.例話法 | 「こんな会社があります」などと、事例を盛り込んで理解を促進する。 |
7.正面撃退法 | 「とんでもないです」と、理不尽な指摘ははっきり否定する。 |
応酬話法に加えて「TPO」(Time:時、Place:所、Occasion:場合)を覚えることも大切だ。TPOの特徴をつかみ、TPOで対応を変え、さらにOPT(Optimism:楽天主義)で明るく前向きの態度で臨むことが、説得力を強めるコツである。"捨てるものは捨て、育てるものは育てるという重点方式が必要だ。"
(4)公募案件、商談獲得のポイント
公募を落札するにはどうすれば?
先日ある講師の方より「公募を落札するにはどうすれば?」というご質問をいただきました。
以下にポイントを挙げます。
1.企業側の要求事項を120%満たす!
2.価格条件を満たす!
3.付加価値で差をつける!
(現場に自信のある方は「動画掲載」で差別化を図ることもできますよ)。
いかがでしょうか?なかなか短いオファー文章からすべてを満たすのは難しいと思いますが、やはり「想像力」のある講師は、相手の求めていることを「行間」から読み取ったり敏感に「察知」できる能力にも長けていると感じます。 公募へのメール入札でも"コミュニケーション"能力が問われますよね。
(3)「書く力」
資料作りの「上手い、へた」には「書く力」が重要
資料作りの「上手い、へた」には「書く力」が重要です。
大きな部分 | 細かい部分 |
・タイトル ・狙い ・期待効果は必須です |
・大項目だけではなく中小項目まで ・それぞれの項目で何をやるのか、その目的は何か ・どんな形式で進めるのか ・どんな備品が必要なのか ・オリジナリティの高いメニューには解説を |
特に資料が一人歩きする場合、つまり意思決定者に直接説明できないような場合はそれなりの配慮が必要ですね。
違う人間が説明すれば、間違いなく正確には伝わりませんので。
2017年9月28日
(1)『問題解決能力を身につけるための質問
質問する時の三つのコツとは?
質問する時にちょっとしたコツを三つ覚えておくと問題解決能力は格段に上がります。
1)「私はあなたよりもよくわかっている、よく知っている」と いう価値観は捨てましょう。
「私は知らない、よくわからないから教えて欲しい」という謙虚な立場に立ってみましょう。(2)同じ質問は一度でなく三回以上は続けてみましょう。
人や組織の問題は数学の問題と違って「解」は一つではありません。「それ以外にはないですか?」「他にはもうないかな?」と何度か問い掛けてみましょう。
(3)意識が過去へと戻るような質問は繰り返しても意味がありません。
例えば何か失敗した場合「なぜ、失敗したのか?」という質問の繰り返しでは問題の本質には近づきません。本当に知りたいのは「どうしたら、成功するのか」ということですね。意識を前に向かわせる質問をしましょう。
(2)『ある化学会社での社長プレゼン』
社員研修の3つのヒント
先日、ある化学会社の中堅社員が社長プレゼンする場に立ち会いました。内容的には、非常にいいものでしたが、言いたいことがなかなか役員方に伝わっていきませんでした。そのため、技術的な瑣末な質問攻めに会い、プランそのものがお蔵入りしそうになっていました。
そこで、私が助け舟を出しました。ただ私がやったことといえば、プレゼンシートを1枚も使わずに、彼らがプレゼンしたいことのポイントを口頭で整理しただけでした。
プランの実行計画の瑣末な欠点からプランそのものが否定されてしまうのか、それともプランの必要性ではコンセンサスを取り、実行計画の徹底度の検証を要求されるのかでは、経営という視点では天と地ほども違いがあります。
そもそも、未来の技術に対して、微塵も不安がないなんていうケースは稀です。欠点を探せばいくらでも出てくるのです。その不安を知恵とやる気で克服していくところが人間のよさであり、さっと考えて100%OKなんていうものが、競争力の源泉として、世の中にごろごろしているなんていうラッキーはあまり期待しない方がよいでしょう。
今回の話のポイントは
「なぜそのプランをやるのか」が十分コンセンサスを取れれば、どうやるのかはいくらでも考えられるということで、「なぜ」の部分で必要性を理解させなければ、瑣末な議論でプレゼン全体が否定されてしまい、将来の礎を失う意思決定をしてしまう可能性があるということです。
- 1.社内コンセンサスに必要なプレゼン技術を身につけていますか?
- 2.「なぜ」の部分の理解を得て「方法論」を考えるステップを踏んでいますか?
- 3.社員のプレゼン能力を高める社内教育・トレーニングを実行していますか?