(18)トヨタ生産方式の本質と展開のポイント

トヨタ生産方式は、手法というよりも考え方・思想に近い。この考え方・思想を理解すれば、製造部門だけでなくあらゆる部門を効率化できるのである。今回はそのポイントを簡単に説明する。

1.ムダを知る

ムダとは、目的より手段が大きいことをいう。10の力でできる仕事を12の力を費やしていれば、2の力がムダとなる。生産活動で発生するこのようなムダを見えるようにした上で、このムダを徹底的に取り除く改善活動を行い、原価低減を図ることが管理・監督者の仕事である。トヨタ生産方式では、生産現場で発生するムダを7つのムダに分類している。
  • (1)つくりすぎのムダ
  • (2)手待ちのムダ
  • (3)運搬のムダ
  • (4)加工そのもののムダ
  • (5)動作のムダ
  • (6)不良をつくるムダ
  • (7)在庫のムダ

この中で特に(1)のつくりすぎのムダを重視している。つくりすぎて在庫が過大になると、さまざまな問題点を隠してしまうからである。経営者・幹部としては、自社の在庫が過大かどうかをまず判断して欲しい。
そのための経営数値としては、在庫保有日数である。在庫回転率で見る会社を見受けられるが、保有日数で見ている会社はあまりない。

    在庫保有日数は3つあり、
  • (1)材料在庫保有日数=材料在庫÷月間材料費×30
  • (2)仕掛品在庫保有日数=仕掛在庫÷仕掛原価×30
  • (3)製品在庫保有日数=製品在庫÷売上原価×30

一度自社の数値を把握していただければと思う。

2.在庫削減で根本の問題点を顕在化させる。

在庫削減を行った場合、設備の故障や不良などの異常が発生すると、在庫がないために作業がストップしてしまう。そうすると、問題点が顕在化するので、根本的な改善策が徹底的に実行できるようになるのである。

在庫費用は、在庫の約15~20%が年間でかかっているといわれる。 1億円の在庫があれば、約2,000万円。これを半減するだけで約1,000万円のコストダウンとなる。 経営者・経営幹部はこのことに早く気づき、実行すべきである。

トヨタ生産方式は、その活用の仕方で魔法の杖にもなるし、会社を混乱させる道具にもなる。その本質を十分理解していただき、自社の経営に役立てていただきたい。


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