(3)経営者に求められる財務センス

世界的にも株安が大きく進んでいて、機械受注統計・百貨店売上など、需要動向を読むシグナルからもマイナスサインが出ており、実体経済に暗い影を落としている状況の時は、銀行保有株の下落も進行しており、銀行が自己資本比率低下を恐れて「貸し渋り」や「貸しはがし」などに走る懸念がある。

この時期に経営者が恐れる点は、以下の3点であろう。

1.追加借入不能・返済資金不足
2.過剰在庫・過剰設備で資金が回らなくなる
3.取引先の焦げ付きが生じる

これらの中のどれかがきっかけとなり、経営危機に陥る可能性は十分にある。そこで自社の安全指標として、以下の点をチェックしていただきたい。

1.現金預金が月商の2カ月分以上あるか?
2.比較的現金化しやすいもの(上場企業の発行手形や株式)が3カ月分程度あるか?
3.上記1と2を足して5カ月分以上の資金準備があるか?

この3点を満たしていれば、極端な話、半年近く売上がなくても会社は潰れない。その間に対策を立てることができる。

経営者が最も早く着手出来るのは・・・「余裕資産の資金化」「原価・経費の徹底削減」であろう。

必要な時に必要な手を迅速に打てるということが、最も重要である。 この時期に逆に売上を増やそうと経営資源を投入させると、その為の投資・維持コストでさらに利益を圧迫する要因になりやすい。

経営者として必要な財務センスとは

  • ○平常時から緊急時を想定し、資金を5カ月分以上は確保しておく意識を持つ
  • ○危機に焦らず、早期着手が出来て効果的な所から順に支出を抑え、余裕資産の資金化を迅速に、徹底的に断行する


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