コンサルタントノウハウ(2)

(10)思考回路の軌道修正をする!

★コンサルティングや社員研修をしていて痛感することの1つに

「思考回路の良し悪しによって、結果に大きな違いが生じている」ということです。

業績を上げられない人、仕事でいい結果が残せない人のほとんどが、思考回路に多くの欠陥を抱えています。

自分の将来を良くしたいと思うのであれば、自分の人生をもっと豊かにして行きたいのであれば、自分自身の思考回路をより良い思考回路になるように軌道修正をしなければなりません。

思考回路に欠陥のある人
  • ●仕事がうまく行かない原因を経営環境のせいにしたり、他人のせいにしたりする傾向が強いのです。
  • ●ガンコで人の意見を素直に吸収できない
その結果、いつまで経っても自分の思考回路を修正できずに、失敗を繰り返すことになります。
 

 

思考回路が優れた人
  • ●思考回路の軌道修正とレベルアップに挑戦し続ける
業績を上げ、仕事でいい結果を出し続けることになります。

 

「自分の思考回路は業績アップを実現させる思考回路になっているのだろうか?」と..。再点検してみて下さい。

 

(11)コンサルタントノウハウを伝える

◆コンサルタントとして世の中に自分の持っているノウハウを伝える機会は、さまざまある。

簡便な方法としてメルマガやブログ、書籍などあるが。

もっと深く理解してもらおうとすれば、セミナーのような場で伝えた方が効果的かも知れない。ライブ環境では、本には書けなかったような話もできる。

そのノウハウを用いて成果を出して欲しいと願うのなら、やはり個別のコンサルティングが望ましい。本やセミナーでは、一般論しか伝えられない。

コンサルティングでこそノウハウのすばらしさが伝わるのに、書籍だけで評価・判断されるのは不本意です。

  • ◆これは、コンサルティングだけのことではないだろう。 せっかくの商品・サービスが、本来とは異なる利用のされ方をして価値を発揮できなかったとしたら、非常に残念に思う。

 

(12)あのダメ社長を何とかしてください!

  • ◇「この人が社長じゃ、うまく行くはずない・・」と、頭を抱えるコンサルタントのあなた!
  • ◇「自分はコンサルタントに向いているのか?」と不安を感じているあなた!

コンサルタント人生の転機になる、"一生モノの気づき"があるかもしれません。

  • ・顧問先がどんどん増える!
  • ・自信を持ってクライアントを支援できる!
  • ・厳しい状況のクライアントにも、全力で取り組める!
  • ・経験に乏しい分野でも、軸があるから迷わない!

魔法のようだけど、誰もが納得するコンサル方法論があるのです。

打開策
「自分がこの社長以上に本気になること」!!

その社長がどんなに頼りなくても、命をかけて経営をしようとしているわけです。
そんな人を「この人が社長じゃ・・・」などと評価する資格など、私にあるはずがないということを気づかされ、「私は本気で取り組んでいたか」を反省しました。

そして、「私は本気であなたを応援する」という姿勢でその後お会いした結果、何かしら、今までに感じられなかった信頼関係を築くことが出来たように思います。

「お前は今目の前にいるクライアント以上に本気か?」と..。問い続けていきましょう!

 

(13)コンサルタントにおける支援 5つの発見

企業にコンサルティングするときのコツ

お客様の企業にはじめて行くときには、以下の5つの項目を見つけましょう。

  • (1)相手企業の長所を見つける。
  • (2)相手企業が自信を持っている部分を見つける。
  • (3)相手企業の伸びているもの、部分を見つける。
  • (4)時流にあっているものをその企業の中から見つける。
  • (5)(1)~(4)を見つけられない時には、その企業のお客様が求めているものを見つける。

そして、この5つのうちどれかを発見することができたら、それを徹底的に伸ばすための策を提案し、実行してもらいましょう。これだけで企業の業績は上がるでしょう。

 

(14)営業しないで顧問先を増やす仕組

★まずは、この流れを作ることが、「仕組で顧問先を増やす」ために必要なのです。

  • 1.ダイレクトメールでセミナーの集客を図る
  • 2.セミナーを行う
  • 3.セミナー参加者の中から毎月もしくは2ヶ月に一度集まる定期的な勉強会に入会してもらう
  • その中で、お互いのことを深く理解していく
  • 4.顧問契約につながる

!今のプロセスの中で、「営業」は何もしていません。 また、「お願い」もしていません。
積極的な会計事務所ほど、ダイレクトメールを送り、「成果が出ない」と悩みます。ダイレクトメールを見ただけで、お客様は「ここに顧問をお願いしよう!」とは思いません。

セミナーでは、自分たちの持っているノウハウを提供し、毎月の勉強会ではお 互いの情報交換を通じてお互いのことを深く知っていく・・・その結果が顧問 契約につながるのです。

 

(15)「うまくいく研修」と「失敗する研修」のポイント

研修は当日だけでない!

研修の成果・効果は、研修当日よりも、むしろその事前準備と事後フォローにかかっていると言っても過言ではありません。

  • 経営者にとりましては、お金と社員の貴重な時間を実務ではなく、研修に当てる訳ですから、非常に強い目的があります。 その片方で、受ける側には、「今、なぜそのような研修を受けなければならないのか?」という気持ちがあります。 まず、そこをクリアーすることが大切です。
  •  その為に、研修企画担当の皆様は、根掘り葉掘り、経営者から、その動機を具体的に聞き取る必要があります。 経営者が、「今、なぜ、何のために、誰に、どこまでのレベルアップを期待して、そのような研修を受けさせる必要を感じたのか?」ということです。
  •  そして、あなた自身が、同じ会社の社員として受ける立場にも立って、納得出来るかどうかです。 納得出来なければ、受講生を説得することは出来ません。納得出来ないのであれば、納得出来るまで、意見具申をし、つめる必要があります。
  • ②企画書を作成する為に大切なこと
  •  「研修目的達成のゴールを明確にする」ことです。
  •  その目的の為にどこまでのレベルに持ち上げられればいいのかということです。 この部分が非常に曖昧なケースが多々あります。それでは、企画内容が曖昧なものになってしまいます。
  • そしてもし外部講師を委託されるのであれば、事前に何度もやり取りをして、自社の風土に合うか、受講生と肌が合うか、自分達の研修目的を全うできそうかということを納得出来るまでやり取りをして、見極める必要があります。
    研修を実施してからでは間に合いません。
  •  出来れば受講生に事前に個別に会ってもらい、受講生のテンションやレベル等を把握した上で、研修に臨んでもらうように出来ればベストです。
  •  ある会社で、受講生への事前ヒアリングで、「私は惰性で仕事をしています」、「ウチの会社・部署は退職者が多いんです、それは・・・」、「私はあと1年勤めて、辞めようと思います」というような話しが続々と出てきて、「これでは研修にならない」と判断し、経営者にお願いして、「処遇の改善等」のお願いをしてから、研修をさせて頂いたことがあります。
    研修を受ける前に、「受ける気」になってもらうことが肝要な事例です。
  • 研修後、受講生は、レベルが上ります。従いまして、上司の皆さんには、事前にも事後にも、どのような研修を実施して、本人達がどのように受講し、どのような感想をもったかを必ず伝えて下さい。。
  •  それがいわゆる、結果的に受け入れ側の研修になります。
  • 出来れば受講生は研修後2週間~1ヶ月の間に、フォロー研修を行って下さい。

そのことで研修効果やその持続性が上ります。

 

(16)<社員研修のヒント>

  • 1.研修目的を出来るだけ明確にすること。
  • 2.受講者の立場で十分に納得してもらい「受ける気」にさせること。
  • 3.フォロー研修による効果の持続性に注意を向けること。

『研修担当者として留意すべき4つのポイント』

  • (1)研修の目的を明確にする
  • (2)研修は上層部から実施する
  • (3)アクションプランを作成する
  • (4)研修の効果測定をする

1.研修の目的を明確にする

研修の開催にあたり、まず大切なことは、研修開催の目的は何なのか、何のために研修を実施するのかを明確にすることである。当たり前といえば当たり前だが、実際は研修開催の目的が曖昧なこともよくあることだ。 研修担当者は、日々忙しい社員を招集し、研修を開催するのだから、研修を開催することによって、受講者に何を修得させるのかを明確すべきである。

ところで、「研修」の語源をご存知だろうか?
その答えは「研修」を訓読することによってよくご理解いただけると思う。
「研修」の「研」を訓読すると、「とぐ、みがく」と読み、「研修」の「修」を訓読すると、「おさめる」と読む。

このことから「研修」の意味は、「研修」を受講することによって、自分自身を「みがき:研く」→ブラッシュアップ

職場(仕事)で活用できる知識や技術を「おさめる:修得」→スキルアップ

つまり「自分自身を『研』き、知識や技術を『修』得」するという意味であることが、ご理解いただけると思う。したがって、何のための研修なのかを、受講者や関連部署にしっかり伝えることが肝要である。

2.研修は上層部から実施する

昨年、国内の大手自動車会社で営業スタッフ向けの研修を相当数担当させていただいた。当初は、ちょっと伸び悩んでいる営業スタッフを対象に、実施する予定だったが、研修ご担当者様と関係各位のご判断で、営業スタッフに対して実施する研修と同じ研修を、まず管理監督者(部長クラス)を対象に実施することになった。

これは、極めて異例のことだが、正しい判断だと思っている。研修で学んだことを社内に定着させるために、まず同じ内容の研修を上級管理者である部長クラスに受講させ、研修の内容を理解させるためだ。

どういうことかというと、受講者は研修を受講することで、さまざまな気づき(意識改革)がなされ行動(行動変容)をしようと思ったとき、そのこと(研修内容)を管理監督者が理解していてくれるのと、そうではない場合では研修の効果に大きな差がでるのは当然のことである。

組織変革のために、何か新しい血を導入したいと思ったら、まず上層部の管理監督者の研修からスタートさせるのが得策であろう。

実際、管理監督者の研修が修了した後、営業スタッフに研修を実施すると、受講者の営業スタッフから、「今、先生が言ったことと、まったく同じことを最近部長が話していました」というようなことが、度々あった。これらのことからも研修効果が充分に証明されていると確信している。

★<ポイント>→組織を変革するには、まず上級管理者から研修をスタートすること

3.アクションプランを作成する

受講者に対して、研修の最後にアクションプラン(行動計画)を立案させているだろうか?

研修は言うもでもなく、研修を受講することにより、職場内で何らかの実効性(実現性、有効性、効率性、費用対効果、生産性)等を向上させ、業績や利益を拡大するためのものである。

したがって、研修を受講したけれど、思考も行動も今までと変わらなければ、業績が拡大することもなく、研修を受講した意味がない。 ならば、受講後「はい、これで研修を修了します。お疲れさまでした。」で終わらせることなく、研修で修得したことを職場で活かすための方策や手段である行動計画をしっかりと立案させるべきである。

また、自分の部下がどのような研修を受講し、何を感じ、どのように行動変容しようと考えているのか、その内容を直属の上司も確認できるような仕組みを構築するのが研修担当者の役割である。

★<ポイント>→研修修了後はアクションプランを作成させ、必ず上司にフードバックする

4.研修の効果測定をする
研修ご担当者の中には、研修の効果測定はできない。と思っている方がいるようだが、とんでもない誤解だ。下記表はカールパドリックという研究者が提唱した研修の「効果測定のステップ」をマトリクスにまとめたものだが参考にしていただきたい。

レベル1
受講者のリアクション(反応)
レベル2
受講者のラーニング (学習)
レベル3
受講者のビヘイビア (行動)
レベル4
受講者のリザルト  (成果)

 

以上を、それぞれ測定するための方法と、実施率を諸外国と国内で比較したものである。あるディラーで、レベル4まで実施した結果、研修効果はリザルト(結果)まで確実に影響を及ぶことを実証している。

レベル      項目             方法            実施率外国  実施率日本

レベル1  リアクション   アンケートetc     86%           77%
(反応)

レベル2  ラーニング     テストetc           71%           22%
(学習)

レベル3  ビヘイビ  ア   インタビュー
(行動)                        360度診断etc     65%           12%

レベル4  リザルト         実績比較etc       49%           7%
(結果)

 

(17)トレーナーズ・トレーナーが教える研修成功虎の巻

※"トレーナーズ・トレーナー"とは「研修講師を養成するトレーナー」です。

1)「企業様が望まれる成果を出せる研修講師かどうかの9つの見分け方」
  • (1)ヒアリング時、今回の研修で出したい成果、予算、期間等、お客様の要望等を的確に質問し、確認しているか?
  • (2)ヒアリング後、要望に沿った研修内容を提案しているか?
  • (3)提案内容に更に要望、修正、改良を申し出た場合、きちんと柔軟に対応してくれるか?
  • (4)人柄・・・これは、判断が難しいと思われますが、ひとつの判断材料として"誠実=言ったことを実行する"かどうか?と人相がいいかどうか?(笑)
  • (5)実績があるか?
  • (6)研修後、お客様満足度調査をしているか?
  • (7)受講生が人間である(=体内リズム、感情がある)と認識して、受講生のペースにあわせて、あるいは受講生を引き込む講義を展開しているか?
  • (8)研修(投資)費用以上の付加価値をお客様に与えているか?
  • (9)研修後、リピート依頼が来ているか?

2)費用対効果の提案

研修の成果はどうやって計ったらいいのでしょうか? 私は、ひとつの判断基準として、研修後のアンケート調査、研修後の売り上げ等を参考にしています。

1年間終了時、幹部の方々から感想を頂きました。
今までだったら自分の実績になるから、2店舗同時に出店できるなら、後先考えず、無理しても2店舗出店していました。
でも、先生の話を伺って、バランスや本当にそれが、店舗で働いてくれる人、地域の人に喜ばれるのか?と考えるようになり、新たに雇う人の生活状態・経済状態も考えたら、近くに2店舗出店するのではなく、1店舗にまとめて出店したほうがいいと判断し、社長にもそれで提案し、1店舗の出店にしました。

あのまま、これまでのように、無理して出店していたら、2店舗ともつぶしあいになったり、あるいは、2つのうち、1店舗はうまくいかなかったと思います。
1店舗あたりの出店費用は2000万円ですので2000万円の赤字を出さずにすんだと思いました。
先生の講義は、これまでの幹部研修と違い、リラックスからはじまり、私にとっては考え方、判断の仕方が変わり、すごく良かった。会社にとっても良かったと思います。」とおっしゃって下さいました。

また、1年間の密度の濃い研修の3ヵ月後、お客様の会社に伺ったところ、「はじめての女性幹部ということで、なりふり構わずやってきましたが、最近、心にゆとりが出来て、身なりも気にするようになって、楽しくなったし、慢性の人材不足もみんなで話し合って、新人を幹部が、それぞれのキャラクターを活かして、1ヶ月きめ細かくしっかりサポートするようになったので、突然辞める人がほとんどいなくなりました」と言う声を頂きました。新人研修は、とても長い時間がかかります。それだけ、費用もかかります。

講師として、費用対効果的に、やっとほっとできました。

3)研修講師に依頼される際に、期待できる効果を直接講師に尋ねる。
しっかり答えられる講師があなたのご期待・ご要望に応えられる講師だと私は思います。

4)研修の適正人数

あくまで感覚値ではありますが、研修の形式によって以下のような考えることができると思います。

講演形式               ・・・  何名でも
ペアワークのみ       ・・・  50名まで
グループワーク主体  ・・・  30名まで

対象者の人数や期待効果などと併せて企画する時に考えてみてください。

 

(18)「人災」

最近の企業には「人災」でありながらそれに気づかず、外部要因に転嫁して何も手を打っていない企業が多く、しかも「人」が原因のことはタブー視されています。

中にいると解らない、気がつかない事かも知れませんが、結果は利益を収縮させているのです。
  • ◎コスト計算の間違え
  • ◎甘い仕入れ
  • ◎経費の見方
  • ◎売りたいがための安売り
  • ◎商品の欠点を見つけられたり
  • ◎納期遅れの値引きなど
  • 「人災」によるマイナスは限りがありません。

如何にこれらマイナス要因を見つけ、改善することに企業の収益は掛かっているのです。
せっかく作った利益を「人災のマイナス」で失っていることを、企業は本気に考えましょう!

「人の能力」「失敗」は直接言ってはいけない様な雰囲気が何処の企業にもあります。
このことが大きなブレーキなっている事を見直さなければなりません。

是非一度、社内に目に見えないマイナス要因が存在している「はず」と思って見直してみて下さい。

 

(19)「うまくいく研修」と「失敗する研修」のポイント

外食業や宿泊業から教育研修の依頼を受けた実績の中から、いくつかの事例を取り上げてみましたので参考にして頂きたいと思います。

◎事例:1

洋食ファミリーレストランを10数店経営している外食企業様より店長を対象とした教育研修を依頼され、内容を伺いしましたら、社長から「うちの店長は計数が弱いので、計数管理を教育して数値に明るい店長を育成して欲しい。」ということでした。

現在の管理状況や問題点を整理し分析すると、社長の考えとは違って、固定費が高く利益が出にくい体質になっていること。 その結果、店長のモチベーションが上がらず目標数値に到達しないことがより重要な問題であることが解りましたので、先の店長教育研修の内容を「店舗貢献利益を追求する店長研修」に変えることを提案し実施いたしました。

*計数管理に明るい店長を育成することは、もちろん大切なことですが、モチベーションを高めることがより重要なことに気づいて頂きたい。

*店長の計数管理は、管理可能費と不可能費や税務会計とは違う管理会計等を整理した上で、目標数値を設定して教育を実施しすべきだと思います。


◎事例:2

和風ダイニングを中心に経営しているチェーン店からは、こんな研修の依頼がありました。「接客サービスをレベルアップし顧客満足度を高めたいので、パート&アルバイトに接客サービスの研修をして欲しい。」ということでした。

現状の接客サービスを評価するため、主な4、5店を観察しましたところ、店長やホール責任者の接客サービスのレベルが非常に低いことに驚きました。従って、店長や責任者から教わって仕事をしているパート&アルバイトさんのレベルはおのずと低いとことが判明しました。

後日、社長を連れだし自社及び同業他社の店舗クリニックをし、現状を正しく認識してもらって研修の内容を「店長及び社員の接客サービスレベルアップ研修」とさせて頂き実施いたしました。

*帳票や部下の報告だけでは判断できないことが現場に埋もれています。

*会社は社長の、お店は店長の器より大きくなりません。


◎事例:3

ある地方でアパレル関係のお店を数店経営している社長様よりの研修依頼で、その町の中心街にある店舗を飲食店に変えたいので「店長と調理長を連れて東京の話題店舗の視察研修をして頂きたい。」という依頼でした。

話題店舗をリストアップし研修に連れて行くことは簡単ですが、本当にそれで良いのか、リサーチが目的なら戦略を考える立場の社長や幹部が対象ではないのか、と説明し理解を求め、私と社長と幹部数名で東京、横浜の話題店だけでなく繁盛店や目立たないけど力のあるお店の視察研修をいたしました。

その後、コンセプトを固めてイタリアンパスタ店をオープンし盛業中です。

*メディアを賑わす時流に乗ったトレンド店に惑わされず、本質を見極めてください。

*経営者は戦略志向で、店長は戦術志向で経営すべきだと思います。


このような例が意外と多いのが現状です。教育研修することが目的の自己満足型でなく、実施後の成果が経営課題の解決に寄与してこそコストパフォーマンスが得られます。研修内容を事前に講師の方と良く打ち合わせをして、成果の上がる研修を計画してみてください。

 

(20)「質問スキル」について

★今までいろんな企業のミーティングへの参加や、現場担当者へのヒアリングを何度も行ってきましたが、その中で実際にあったケースで説明します。

<ケース①>
コンサルタント :「売上確保のために、Aという打ち手はいかがですか?」
現場担当者  :「それは昨年もやってみたのですが失敗に終わっています」
コンサルタント :「うまくいかなかった原因は何ですか?」
現場担当者  :「・・・」

このような簡単なやりとりだけで、担当者のビジネススキルと、問題意識のレベル差が判るものです。この場合は要するに深く考えて問題解決をするという習慣がないわけです。

このケースにおける問題解決の方向性は、うまくいかなかった原因を追究して「やり方を変えてみる」か、あるいは「別の新たな打ち手」を考えるといった2つの方向性があることは誰でも分かることなのですが
日常業務の多忙さもあって、現場では実行できていなかったりします。

 

この状態を放置すると、そもそも問題解決のために分析を行うというステップがないために、一回実行して失敗したものはそのまま放置して、常に別の打ち手に走る方向(つまり楽な方向)に流れてしまうので、やがて打ち手が尽きて八方ふさがりになる訳です。

 

<ケース②>
コンサルタント :「この事業を回していくうえで、システム面の対応はできていますか?」
現場担当者  :「できていますよ。半年後にはそのシステムが稼動します」
コンサルタント :「本当に半年後でなければ対応できないのですか?システム担当に確認
                        しましたか?もっと早く稼動させる方法を考えましたか?」
現場担当者  :「・・・」

これは他部門から受けた情報を鵜呑みにしているケースです。システムの稼動開始までにかかる半年というリードタイムに対して発生するチャンスロスの意識が薄く、力ずくでもいいからなんとかもっと早くシステムを稼動させる方法を考えようとしていません。

以上2つのケースには経験が浅いコンサルタントが陥りやすいワナが含まれています。

経験が浅い
コンサルタント
「それって本当?」といった視点で状況確認をすることに慣れていません。結果、相手の発言をそのままに捉えてしまい、打ち手の方向性がどんどん狂ってきたり、効果的な打ち手を見逃してしまって内容の薄い提案しかできなくなっていることがあります。

 

ほんの少し深く質問することで
  • ◎過去に失敗した打ち手でも、やり方を変えれば充分に効果があるものや、努力すればもっと早く対応できるものを発見できる。
  • ◎ミーティングの最中に、突っ込んだ質問をしたら成果物の精度が高くなる。
  • ◎意外な発見がある。

 

・資金調達コンサルタントの限界

★「あなたの会社が資金調達できるようにします。」をうたい文句にして、資金調達を売りにするコンサルティング会社は、多くあります。

しかし
資金調達を売り物にするコンサルティング会社の弱点は、その企業が赤字が出たり、債務超過となったりする場合など、苦境に陥った時に、資金調達ができなくなることです。

 

資金調達コンサルティング会社のイメージ

企業の業況がまずまずの時
通常の資金調達の可能性70%

資金調達コンサルティング会社によって

資金調達の可能性を80%へ
企業が赤字や債務超過に陥った時
通常の資金調達の可能性2%

資金調達コンサルティング会社よって

資金調達の可能性を5%へ

 

  • ◎中には、企業が赤字や債務超過に陥った時でも、資金調達の可能性を80%へ上げるコンサルタントもいますが、それは、決算書の偽造によって銀行を欺いて資金調達を行う、と考えて間違いないでしょう。
    コンサルタントでなく悪質融資ブローカーです。
  • ◎犯罪行為を犯さない、通常の資金調達コンサルタントは、赤字や債務超過に陥った企業で、資金調達を行うことは、95%(いやそれ以上)、無理なのです。

そもそも、赤字に陥った企業は

  • ○赤字を黒字にする対策を行うことが問題解決策。
  • ×赤字を埋めるために資金調達を行うことはなんの問題解決策でもありません。
  • ◎資金調達コンサルタントを、業績がまずまずの企業が、資金調達の可能性を高めるために、活用するのはよいでしょう。
  • ×しかし、赤字や債務超過の企業が、資金調達コンサルタントをあてにするのは無理があります。相談する相手が違うのです。

 

・危機感のない経営者

★私の会社には、日々、厳しい状況に陥っている中小企業の経営者が、ご相談にこられます。

私どもの相談員は、その企業の「ダメ」なところをどんどん突いていく、遠慮なしの面談相談を行うため、ほとんどの経営者は「このままではだめなんだ」という危機意識をいだかれます。

会社の立て直しをどうやって行うか、話し合います。

それを実行していくだけなのですが、

危機意識が再び薄れてしまい、また基に戻ってしまうのです。

自分の会社を厳しい状況にしてしまったのは、経営者自身です。同じことをやっていては、ますます厳しい状況になってしまい、いずれ会社は破綻してしまいます。
 
経営者が180度、変わらなければならないのです。
 
まずは、経営者の変革です。それができなければ、立ち直ることはできせん!

 

・状況は厳しいが誰も相談相手がいない・・・

★資金繰りが厳しく、将来の展望が見えないのに、相談相手が誰もいないのであれば、経営者としてとても苦しいでしょう。ただそれでも、全く相談相手がいないわけではないでしょう。

相談相手には、次の人が考えられます。

・弁護士                                 ・コンサルタント
・税理士(顧問税理士)            ・金融機関
・取引先
・家族・親族・知人                    ・役員や社員

1.弁護士 弁護士に相談すると、ありがちなのが「破産して楽になりましょう。」と、破産を勧められるパターンです。弁護士は、法律の専門家です。法律的にどうすればよいか考えてくれますが、ただ破産する前にやれることがいっぱいあるにも関わらず、一律的に破産を勧めがちなのが弁護士です。
自分の会社をなんとか立て直したい経営者にとって、弁護士はよき相談相手なのでしょうか・・・
2.税理士 ほとんどの中小企業には、顧問税理士がいます。顧問税理士は、自社の状況をよく知る立場にいます。そのため多くの経営者が、顧問税理士に相談します。
しかし、税理士は税金の専門家、会計の専門家であって、資金繰りの専門家でもなく、銀行対策の専門家でもなく、会社再生の専門家でもありません。
経営者が本当に相談したいことに対し、適切な答えを期待できるでしょうか。
3.金融機関 あなたの会社に融資をしてくれている銀行などの金融機関は、言うまでもなく、あなたの会社の利害関係者です。
なんとかしたいと相談すると、金融機関にとって最も損しない方法を、あたかもあなたの会社が良いように見せかけて、アドバイスしてきます。
裏では、金融機関が損しないように、考えています。はたして金融機関は、相談相手としてどうでしょうか?
4.取引先 あなたの会社の仕入先・外注先・販売先である取引先。取引先も、言うまでもなくあなたの会社の利害関係者です。特にその相談相手が仕入先や外注先であったら、売掛債権があなたの会社に対し存在するために、その仕入先・外注先が最も損しない方法を、考えるでしょう。
当たり前です。相手も商売ですから。
また、信用不安が起こりやすいのが、取引先からです。下手したら相談した取引先から、あなたの会社が厳しいといううわさを広められ、あなたの会社の信用不安が起こってしまいます。
5.コンサルタント 「コンサルタント」と言っても、専門分野はいろいろです。マーケティングに強いコンサルタント、人事に強いコンサルタント、財務に強いコンサルタント等です。なんでもコンサルタントに相談すればよい、というものではありません。まずはそのコンサルタントが、何に強いのかを見る必要があります。
資金繰りが厳しい中小企業であったら、資金繰りに強いコンサルタント、会社再生・事業再生に強いコンサルタントが、適した相談相手となります。
6.家族・親族・知人 家族・親族であれば、よほど仲の悪い相手でないかぎり、経営者であるあなたの相談に、親身になって答えてくれるでしょう。厳しい状況である今こそ、家族・親族の団結が必要です。
しかし、資金繰りが厳しい状況でどうやって問題を解決するか、その家族・親族は経験あるでしょうか?相談相手が知人であっても、同じことが言えます。
7.役員や社員 役員や社員は、自分の会社が倒産してしまったら収入がなくなることもあり、一緒になって問題解決を考えてくれるでしょう。
ただ、資金繰りが厳しい状況でどうやって問題を解決するか、その役員や社員に経験はあるでしょうか?
また、絶対に信頼できる人でないかぎり、自社が厳しい状況を他の社員に漏らし、そこから社内の士気が一気に下がることもあり、注意が必要です。

このように、厳しい状況に陥ってしまった経営者にとって、相談相手として考えられる人は多くあれど、一番相談すべき相手として考えると、どの相手も一長一短があります。

※私どもは企業再生コンサルタント会社であり、厳しい状況に陥った中小企業経営者から毎月多数の相談をお引き受けしておりますが、相談相手として良い、と思うのであれば、ご連絡ください。

 

・企業再生・事業再生

建築会社再生の話なんですが、今までの借り入れが年商規模まで膨らみ、自力再建が困難になったケースです。

こうなると私的整理、法的整理(民事再生法等)を問わず、スポンサーが必要となってきます。

スポンサーには事業会社もあれば、再生ファンドもあります。
どちらにしても、金を出して貰うからには"口も出される"のは覚悟しなければなりません。

しかし、その事を理解できない経営者が少なくないのです。

  • ◎もちろん事情は様々でしょうが、そのような事態になったのは、少なからず社長の経営が間違っていたからであり、経営責任は取らなければなりません。
  • ◎それでも中小企業の場合「社長が居てこそ」的な意味合いから、経営者が続投することは珍しくありません。

それでも勘違いする社長が出てくるのです。

我々コンサルタントがスポンサー候補を探してきても、あれは嫌だ、これは嫌だ、と言い出す社長がいます。

本来なら自ら再生計画の陣頭指揮を執り、スポンサーにプレゼンし、頭を下げてお願いする立場にあるハズですし、そうすべきです。

しかも、こういう社長は事業再生計画書なんか見ちゃいません。経理が作った計画書を、我々と一緒に始めて見ているなんて、珍しくありません。

そういう会社の場合、スポンサー候補も次々と辞退してしまいます。
スポンサーは慈善団体ではありません、投資家なのです。

×そうなると幾ら優れた技術があり、優秀な社員が居ても「企業再生」は叶わないのです。
まずはスポンサーを必要とする事態にならないようにするのが大事です。
しかし、そのような事態になった場合、社長自らが変われないと、経営者の地位だけじゃなく、手塩に掛けた事業そのものを失います。

外部に経営的なアドバイスを求めることになった場合には、社長が「自分から変わる覚悟」をもって下さい。

 

①銀行から聞かれたことのないことを聞かれた

★中小企業経営者の方からご相談いただいていて、よく質問されるのが、 「融資を受けている銀行からこんなことを聞かれたんだけど、銀行は何を意図しているのか?」

例えば、今まで言われたことがないのに、次のようなことを銀行から言われた場合、

○最近の試算表を提出してほしい。
融資先の最近の業況チェックのために、銀行は融資先企業から、定期的に試算表の提出を受けてそれをチェックしようとします。
試算表を今まで提出していないのであれば、その方が珍しいことなのです。
融資を受けている銀行に対して、銀行から言われなくても試算表を出すと、銀行からの信頼は高まることでしょう。
○他銀行の借入明細を見せてほしい。
他行がどのように融資をしているのかを見ることは、銀行員にとっては基本中の基本と言えるぐらい、重要なことです。
他行は融資を絞ってきているのか、もしくは他行は積極的なのか。
他行が積極的に融資を出しているのならまだしも、融資を絞ってきているのなら、その企業の資金繰りは厳しい方向に向かい、要警戒、ということになります。
他行の借入明細はどうなのか、時系列で見てどうなのかは、銀行が融資先企業に、当たり前に聞くことなのです。

経営者としては「銀行は何を考えているのだろうか・・・」と、疑心暗鬼になってしまいがちですが、たいていの場合は、銀行が知っておくべき、当たり前のことを聞いているだけ、ということです。
不安に思わないで、正々堂々と答えましょう。

 

・再生できる企業、再生できない企業の見分け方とは?

★私が、資金繰りが厳しい中小企業経営者から「はたして私の会社、再生できるものでしょうか?」とよく相談されますが再生できる企業、再生できない企業の判断基準は

本業の事業自体で利益が出るかどうか、せめてトントンかどうか、です。

企業において、現金預金が外に出ていく原因は、大きく分けて次の2つです。

1.融資の返済    2.事業の赤字

融資の返済について

事業がトントンもしくは黒字の企業であれば、事業で稼ぐ利益以上の融資返済があれば、現金預金は毎月、減少していくことになります。 その場合、定期的に銀行から融資を受けて、現金預金の量を回復させなければなりません。

しかし業況の悪化などで銀行から融資が受けられない企業では、資金繰りはまわならないことになります。その場合、とるべき手段は銀行と交渉して融資の返済を毎月0円近くに抑えること、いわゆるリスケジュールを行う必要があります。

そして、融資の返済が0円近くになった企業は、融資の返済で現金預金が外に出ていくことはなくなります。
資金繰りがまわらない状態から、まわる状態への転換です。これは何より、経営者の心に余裕を持たせることになります。こうなれば、心に余裕を持つことができた経営者は経営改善に力を入れていくことができるでしょう。
事業の赤字について

一方、事業が赤字の企業。リスケジュールを行うことによって融資の返済で現金預金が外に出ていかなくなっても、事業の赤字で現金預金が外に出ていってしまえば、毎月、現金預金が減少していくことになります。

事業を見直し、黒字化、せめてトントンの状態にまでしなければなりません。
こう考えると、再生できる企業、再生できない企業の見分けかたは、

現状、事業が黒字もしくはトントンであるかどうか、ということになります。


ここで気がつくのは、受けている融資の金額が大きいとか、融資の返済ができないとか、そういうことは、再生できる企業かどうかの判断基準には関係ない、ということです。

あくまで、事業が黒字もしくはトントンか。現状赤字であれば、改善努力によって事業がトントンまでもっていけるかどうか、です。

 

・講演からわかること

★講演後のアンケートでは次のようなご指摘をよくうけます。

「話の中でアー、エーが多い。」 →私はアー、エーでごまかすことが多かったので、意識して言わないようにしました。
「もっと具体的事例を盛り込んでほしい。」 →確かに、具体的事例を入れていかないと話に説得力がないので、講演の構成を考えるときに、ここで何を言おう、という具体的事例を用意しておいて、話を引きつけられるように心がけるようにしました。
「講演の中で、基本的なこと、当たり前のことを話していることが多いように感じる。」

「私どものコンサルティングでは、経営における基本的なこと、例えば毎月試算表を作り数字を把握し経営に生かしていくことや、きちんと営業活動を行うこと、これら経営を行っていく上で当たり前にできなければならないことができていないところをできるようにしていくスタンスをとることが多いため、私自身が、講演において、その感覚で基本的な内容を中心に話してしまっている。」

「一方で、講演、特にお金を払ってまで講演を聞きにくる方は意識の高い方が多く、経営の基本は当然やっているので、もっと深い話を聞きたいのではないか。」

講演を聞きにくる方


しっかりした経営ができているため、資金繰りにおいても万全であり、外部のコンサルタントは特に必要としない。

ここから何が応用できるかというと、経営者として自分の会社を良く経営していくには、経営について高い意識をもって、自己流ではなく、本を読んだり講演に参加したりして勉強を積み重ねていくのと、勉強したことをすぐに実践していくべきではないか、そういった経営者の会社は、良い経営となりやすいのではないか、ということです。

経営者として重要なのは、投資→リターンという意識。
例えば3万円の講演があったら、それを「費用」と思わず「投資」として意識し、その3万円の何十倍、何百倍ものリターンをもたらすぞ、ということを思える経営者が、成功するのではないでしょうか。

 

・ビジネス書出版の注意点

ビジネス書はそのテーマに応じて温度差はあるものの、日常のビジネスシーンで起こりうることに焦点を当て、そのソリューションを記しています。

一冊の本で扱える問題と示しうる解決策には限りがあります。一方、発生する問題は千差万別、解決策はケースバイケース。

しかし、一般に日常発生する問題のほとんどは限られたケースで占められます。したがって、この限られたケースに対する解決策さえ示されていれば、日常のビジネスには十分役立つことになります。

もし発生件数の90%が10種類のテーマでしかなく、残り10%の中に90種類のテーマがあったとしたら、ビジネス書が扱うテーマは初めの10だけです。残りの90テーマはより高度な専門書の分野になります。

したがって

×めったに起こらない問題を念頭に置き、議論を複雑にしたり語尾に懐疑を滲ませたりすることは、却って読者の理解を妨げ実用に適さないものとなりビジネス書としては扱いかねます。

問題を明確に設定し解決策をきっちりと言い切ることが、ビジネス書には特に重要なポイントなのです。

 

・言い切るためには

断定することには大なり小なりリスクがつきまといます。といって逃げてばかりでは読者も聴衆もつかめません。言い切る覚悟が必要です。

言い切るためには


「やったことがないことについて意見を言うのは心もとない。だからやったことのあることだけを話すことにした。講演のときは自分の体験を基に話す。

「聞いている人にとって自分の体験が参考になるかどうかはわからないが、自分としては根拠のあることなので言い切るだけの自信はある。

他所の会社に行ったときは、状況が違うわけだから自分の経験がどこまで通用するか見通しがつかず一層不安だ。
しかし、同じ人間のやること、それぞれの局面では大きな違いはない。自分にも似たような体験はなかったか、思い出してみれば必ずどこかで似たようなことがあった。それが根拠になる。まったく経験のないことならわかりませんといえばいい。

 


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